〈 診療に関するお問い合わせ 〉

022-248-5001

受付時間/月〜金 9:00〜17:00

発信

ソレイユ生殖医療センターにおける  
高度生殖補助医療〈ART〉


体外受精

体外受精とは、採取した卵子を体外で受精させ、得られた受精卵を子宮腔内に移植することで
妊娠を期待する不妊治療のひとつです。
自然妊娠の流れうち、卵管内の過程をすべて体外で行うため、
高度生殖補助医療〈ART〉とも呼ばれます。

自然妊娠のイメージ

体外受精の治療過程


排卵誘発(卵巣刺激)

自然の排卵周期(排卵誘発なし)で採卵する場合、一度に多くの卵子の成長は期待できません。
採卵 1回あたりの獲得卵子数を増やすために、排誘発剤を使用して卵巣を刺激することを排卵誘発といいます。
排卵誘発は個々のホルモン状態や年齢等を考慮し、医師が最適な方法を決定していきます。
なお、排卵誘発には以下に挙げるよういくつかの方法があります。

排卵誘発あり(通常刺激) 排卵誘発あり(低刺激) 排卵誘発なし(自然)

排卵誘発における主な卵巣刺激法

1)通常刺激法

卵胞刺激ホルモン注射 + 排卵抑制剤(アンタゴニスト製剤)

  • 卵胞刺激ホルモンを生理開始3日目から採卵決定までの間(平均10日前後)、連日注射します。
  • 卵胞の発育をモニターしながら、必要に応じて排卵抑制剤(アンタゴニスト製剤)を注射します。
  • 卵胞が直径20mm前後まで発育したら、卵子の最終成熟を促すためHCG(注射)またはGnRhアゴニスト(点鼻薬)を投与します。

HCGまたはGnRhアゴニスト投与の翌々日が採卵日となります。

GnRhアゴニスト(点鼻薬)投与

主な適応者と特徴

  • 体外受精における最も一般的な誘発方法です。
  • 卵巣予備能が適正値の方や年齢が35歳位までの方が主な対象となります。
  • 注射による誘発は卵巣に対し強い刺激を与えることが出来るため、獲得卵子数は多くなります。
2)低刺激法

経口の排卵誘発剤(クロミッド等)+ 卵胞刺激ホルモン注射 + 排卵抑制剤(アンタゴニスト製剤)

  • 基本的には通常刺激法のやり方と似ていますが、経口排卵誘発剤を併用することで卵胞刺激ホルモンの注射量を少なくした方法です。
  • 卵胞の発育をモニターしながら、必要に応じて排抑制剤(アンタゴニスト製剤)を注射します。
  • 卵胞が直径20mm前後まで発育したら、卵子の最終成熟を促すためHCG(注射)またはGnRhアゴニスト(点鼻薬)を投与します。

HCGまたはGnRhアゴニスト投与の翌々日が採卵日となります。

GnRhアゴニスト(点鼻薬)投与

主な適応者と特徴

  • 卵巣予備能の低下がみられる方、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)を起こす可能性が高い方、または通常刺激法を行っても多くの卵子獲得が難しい方が主な対象となります。
  • 注射と飲み薬を併用する誘発のため、通常刺激に比べマイルドな誘発方法となります。
3)自然周期法
  • 基本的には排卵誘発剤を使用しませんが、状況により少量の排卵誘発剤を使用する場合もあります。
  • 卵巣への負担が少ないため、毎月採卵することも可能です。
  • 卵胞の発育をモニターしながら、必要に応じて排卵抑制剤(アンタゴニスト製剤)を注射します。
  • 卵胞が直径20mm前後まで発育したら、卵子の最終成熟を促すためHCG(注射)またはGnRhアゴニスト(点鼻薬)を投与します。

GnRhアゴニスト投与の翌々日が採卵日となります。

GnRhアゴニスト(点鼻薬)投与

主な適応者と特徴

  • これまでに良好な受精卵が得られなかった方や、他院で数多くの治療をされてきた方、ホルモン剤を用いる誘発を行っても効果が出にくい方が主な対象となります。
  • 獲得卵子数が1回程度のため、卵子の状態により治療キャンセルのリスクが高くなります。

いずれの排卵誘発法においても…

ソレイユポイント

  • 排卵誘発の方法は、患者様の背景(年齢・卵巣予備能・治療歴等)を参考に医師により決定されます。
  • 図に示した治療日程は一般的な目安です。実際の診察日および採卵実施日は曜日と患者様の卵胞(卵子が入っている袋)の発育状態を見ながら決定されます。
  • 診察日には必ずホルモン検査(採血)および超音波検査を実施いたします。
  • その他、必要に応じて、診察・検査・投薬が追加になる場合があります。

採卵

発育した卵胞に針を穿刺し、内容物を吸引することで卵子の回収を試みます。

採卵の実際

ソレイユポイント

  • 採卵は局所麻酔を使用して行われます。
  • 採卵に要する時間は平均10分程度です。
    ※ただし、発育している卵胞の数や状態により時間が変動することがあります。

受精

通常媒精法と顕微授精法

卵子と精子が融合し、受精卵となります。体外受精における受精方法として、下記の二つの方法に大別されます。

通常媒精法(一般体外受精)

採卵後、卵丘細胞と呼ばれるふわふわした細胞に包まれた状態の卵子と調整して得られた良好運動精子を培養液内で一緒にし、精子が本来持つ受精力(精子が自らの力で卵子に侵入する力)によって受精を試みます。

通常媒精法のイメージ
メリット
  • 自然の受精に近い方法である
  • 受精過程で生ずる卵子に対する負荷が少ない
デメリット
  • 精子の数が少ないと対応できない
  • 異常受精(多精子受精)が起こりやすい
  • 受精障害では全く受精しない場合もある

顕微授精法(ICSI)

運動性・形態的に良好な精子1個を、極細の針を用いて卵細胞質内へ直接注入し受精を試みます。事前に卵丘細胞をはがし、成熟が確認された卵子のみに実施します。
 

顕微媒精法のイメージ
メリット
  • 精子の数が極めて少ない人でも対応できる
  • 受精障害にも対応できる
  • 多精子受精が起こりにくい
デメリット
  • 針を刺すため卵子には多少の負荷が掛かる
  • 針を刺したことで、卵子が壊れる場合もある
  • 未成熟な卵子には実施できない

受精卵の獲得から胚発育

受精卵の獲得

受精は卵細胞内における前核形成の有無により判断します。
また、正常受精および異常受精の判断は、前核と極体の数で判定します。

正常受精卵|異常受精した卵子|受精が認められなかった卵子

受精卵の発育過程

受精卵
(採卵後1日目)

4細胞胚
(採卵後2日目)

8細胞胚
(採卵後3日目)

桑実胚
(採卵後4日目)

胚盤胞
(採卵後5日目)

脱出胚盤胞
(採卵後6日目)


胚培養における評価法

初期胚
(培養2日目、3日目の胚)
の評価
~VEECK分類~

卵割球の均等性をfragmentation(フラグメンテーション)の出現率で評価を行います。
すべての卵割球の大きさが均等でフラグメンテーションの出現が低いほど良好な受精卵とされます。

GradeGrade 1Grade 2Grade 3Grade 4Grade 5
卵割球 Grade 1 Grade 2 Grade 3 Grade 4 Grade 5
均等均等不均等不均等不均等
fragmentationなし10%以下10%以下11-50%未満50%以上

表組みを横にスクロールしてご確認ください。

胚盤胞
(培養 5日目以降の胚 )
の評価
~Gardner分類~

Gardner分類では発育ステージと内細胞塊、栄養外胚葉の細胞数で胚盤胞の評価を行います。
発育ステージが高く細胞数が多いほど良好な胚盤胞とされます。

発育ステージの評価 『胞胚腔(ほうはいくう)』と呼ばれる腔の広がり具合で 1~6段階に評価します。

Grade1:胞胚腔が 50 %以下|Grade2:胞胚腔が 50 %以上|Grade3:胞胚腔が全体に広っている|Grade4:胞胚腔が拡大し、透明帯薄くなる|Grade5:透明帯から一部脱出(ハッチング)|Grade6:透明帯から脱出(ハッチング )完了

内細胞塊、栄養外胚葉の評価

発育ステージがGrade3 以上では内細胞塊と栄養外胚葉をA~Cの3段階で評価します。
Aが一番良い評価(良好)となり、次いで B(中等度)、C(不良)となります。

栄養外胚葉の評価

胚移植

大切に胚発育させた受精卵を子宮腔内へ移植します。
胚移植には新鮮胚移植と凍結融解胚移植に大別されます。

方法

受精卵を吸い込んだ柔らかいチューブを子宮口から子宮腔内へ静かに挿入し、超音波で適切な位置を確認しながら受精卵を静置します。

移植時期

  • 3日目移植法:初期胚を移植します。
  • 5日目移植法:胚盤胞を移植します。

移植日は発育状況を参考に、医師により決定されます。

ご注意

移植個数には制限があります。日本産科婦人科学会にて平成20年4月発令された会告により、1回に移植する胚の個数は、多胎妊娠防止をかるために原則として1個となります。ただし、35歳以上または2回以上続けて妊娠不成立であった女性についは2個の移植が許容されています。


胚の凍結と融解

体外受精において、以下に挙げる様々な理由により、胚はしばしば凍結保存されます。

  • 子宮内環境を整えることで、着床阻害のリスクを低下させるため
  • 一度の採卵で良好な胚が多く得られた場合、複数回の移植を行うことで、採卵一回あたりの妊娠成功率を高めるため
  • 卵巣過剰刺激症候群(OHSS)の重症化を防ぐため

凍結保存・融解の方法

凍結

受精卵は超急速ガラス化法により凍結されます。
超急速ガラス化法とは、凍結保護剤を浸透させた受精卵を液体窒素(マイナス196℃)で一瞬のうちに凍結させることで、高い生存率が得られる凍結方法です。
凍結した胚は、鍵のかかるタンクに入れられた液体窒素の中で保管・管理されます。

融解

融解は専用の融解液を使用して行われます。
受精卵は液体窒素(マイナス196℃)から37℃に加温した融解液に一気に投入されることで融解されます。融解した受精卵は培養液の中で培養され、その後、移植されます。


アシステッドハッチング
(孵化補助)

ヒトの卵子は透明帯と呼ばれる殻に該当する3層構造の膜で保護されています。
通常、受精卵(胚)は自らの力で透明帯から脱出(孵化)し、子宮内膜へ着床します。
しかしながら、透明帯の肥厚や硬化が孵化の妨げになる場合があり、
これらリスクを取り除くために、胚移植前に透明帯の一部を
人工的に切開(開口)または除去する処置を
孵化補助(アシステットハッチング)といいます。

  • PZD法

    市販されている専用の針1本を用いて透明帯の一部に切れ目(スリット)を入れます。 器械式で最も一般的な方法となります。

    PZD法
  • MS法

    当院、培養士手作りの2本の針を用いて透明帯を開口します。PZD法にくらべ切れ目の大きさを調整しやすいのが特徴です。実施には針の作製も含め、熟練した技術が必要となります。

    MS法
  • Zona Free(ゾナフリー)

    透明帯を大きく開口し、受精卵(胚)から透明帯を完全に除去します。

    Zona Free法

ART(体外受精・顕微授精)料金

ART実施では治療に関する費用全額が自己負担(健康保険適応外)となるため、一度の治療に際し、多くの費用を必要とします。

そのため、当院では医師の判断によりARTを必要とする患者様に対し、事前に個別による治療説明を行い、ART料金の詳細と概算をご確認いただいております。

なお、実際にお支払いいただくART料金は、【卵巣刺激の方法および投薬の種類・処方量】 と【当院における採卵実施回数および治療内容】により決定されます。

また、当院でARTをお受けになられる患者様のなかで申請条件を満たしている方は、後日、「不妊に悩む方への特定不妊支援事業」のお手続きをしていただく事で、治療費の一部が助成されます。

注:当院における各種料金のお支払い方法は、すべて窓口での現金払いとなります。
  各種クレジットカード・デビットカードはご利用いただけません。


不妊治療助成金

不妊治療の経済的負担の軽減を図るため、
配偶者間の体外受精・顕微授精に要する費用の一部を助成する制度です。
なお、助成金申請にあたり以下の条件をすべて満たしている必要があります。
当院は宮城県の定める「不妊に悩む方への特定不妊支援事業」における指定医療機関です。

対象者
体外受精・顕微授精以外の治療法によっては妊娠の見込みがないか、または極めて少ないと医師に判断された、法律上婚姻をしてる夫婦
助成限度額
1回につき7.5万円〜45万円(助成回数・治療内容・お住まいの市町村により異なります)
所得制限
730万円未満(前年の夫婦合算の所得額)
平成28年4月1日より
対象年齢年間
助成回数
通算
助成回数
通算
助成機関
43歳未満限度なし40歳未満:6回
43歳未満:3回
限度なし

「不妊に悩む方への特定不妊支援事業」に関しての申請方法および助成額は、お住まいの地域の市町村までご確認下さい。