SOLEIL ARTラボからの発信当院の生殖補助医療ラボから、
最新の情報を発信していきます

ウィークエンドARTセミナーのご案内

皆様こんにちは。SOLEIL ARTラボの培養士です。

当院では、体外受精を検討されている方に向けて、体外受精に対する不安や疑問点の解消、正確な知識をお伝えし、ご夫婦で納得して治療を受けて頂くため、ウィークエンドARTセミナーを開催しております。

各部門から体外受精や当院の成績・治療スケジュール・費用・食事や栄養などについて詳しくご説明致します。

ウィークエンドARTセミナーは、平日にお仕事をされている方、遠方にお住まいの方、ご夫婦で参加したい方など多くの方々に来て頂きやすいよう、ウィークエンド(土曜日)の午後に開催しております。

当院でのART希望が決定されている方は、セミナー同日の午前に診察のご予約をお取りすることも可能で、1日で診察とウィークエンドARTセミナー両方を受けて頂くことができます。

セミナー終了後、ご希望の方には個別相談を受け付けており、こちらも大変ご好評いただいております。

他院に通院中の方でもぜひご参加下さい。ご夫婦でもお一人でもご参加頂けます。

参加ご希望の方は、来院時にスタッフにお声掛け頂くか、お電話にてご予約をお取りください。

 

 

PICSI(Physiologic ICSI:ヒアルロン酸を用いた生理学的精子選択術)について

皆様こんにちは。
SOLEIL ARTラボの胚培養士です。
今回は、PICSI(Physiologic ICSI:ヒアルロン酸を用いた生理学的精子選択術)をご紹介します。(当院では、保険採卵は対象外となります)
通常のICSI(顕微授精)では、顕微鏡により精子の形態や運動性が良好な精子を選別しています。
しかし、これだけでは成熟精子を判別する事はできません。
DNA損傷の少ない成熟精子は、ヒアルロン酸と結合する性質をもっています。
PICSIはこの性質を利用し、ヒアルロン酸を含んだ培養液を用いて成熟精子を選別します。

詳しくはこちら▶をご覧下さい。

PICSIは、DNA損傷の少ない成熟精子を選別しICSIに用いることで、受精率・妊娠率の向上や流産率の低下が期待できると報告されています。
費用は、¥27,500(税込)となります。

ご希望の方はスタッフにご相談下さい。

 

 

 

ZyMot(ザイモート)が先進医療にて実施可能となりました

皆様こんにちは。SOLEIL ARTラボの胚培養士です。
当院は7月より膜構造を用いた生理学的精子選別術(ZyMot:ザイモート)の先進医療実施施設として承認されました。

膜構造を用いた生理学的精子選別術とは、遠心分離処理を行わず、特殊な膜構造を持つ装置を使用し、より短時間で良好な精子を回収できる方法です。
当院では、ZyMot(ザイモート)を使用しております。

採取された精液中には、運動精子以外に死滅精子や奇形精子、白血球などが含まれています。
これらを除去し、良好な精子を回収するため、当院では密度勾配遠心法(試薬に精液を乗せて遠心し死滅精子や白血球などを分離する)を実施しています。
しかし、この方法は、遠心分離によって精子に物理的損傷が起こること、精子回収に多くの工程と時間を要することにより発生した活性酸素が精子DNA断片化を引き起こす可能性が報告されています。
精子DNA断片化は、精子のDNA二重らせん構造が損傷している状態であり、胚発生の3日目以降に影響を与え、胚盤胞到達率や妊娠率の低下、流産率の上昇に関連すると考えられています。
そのため、胚発育が不良で移植に至らない方や移植できても中々妊娠に至らない方にとって、精子DNA断片化が起きていない精子を選択する事が重要になってきます。

ZyMotは短時間で遠心分離を行うことなく、精子DNA断片化を最小限におさえ、良好な精子を効率よく回収することが期待できるといわれています。
先進医療実施施設に承認されたことにより、保険適用の治療周期でも実施できるようになりました。(費用:¥27,500 税込)

但し、ZyMot実施のためには以下のような条件がございます。

<ZyMotの適応>
1回以上顕微授精を実施しても移植可能胚が得られず、または胚移植しても妊娠に至らなかった症例で、次回の採卵で顕微授精を予定する方。
※高度乏精子症、TESE/TESA/PESA/MESA、精液量が著しく少ない方、運動精子が極端に少ない方、凍結精子を使用する方、精子の質や状態が悪い場合は実施することができません。

ご希望の方はスタッフにご相談下さい。

AIを使用した胚評価システムiDAScore Version2について

皆様こんにちは。
SOLEIL ARTラボの胚培養士です。
今回は、AIを使用した胚評価システムiDAScore(アイダスコア)についてご紹介します。

当院では、患者様の胚培養をタイムラプスインキュベーター(EmbryoScope)で行っており、AIを使用した胚評価システムであるiDAScoreも導入しております。
このiDAScoreが今年の1月よりVersion2にアップデートされました。

iDAScoreは、連続観察画像を読み込ませるとAIが完全自動解析し、個々の胚のスコアを算出します。このスコアが高いほど妊娠の可能性が高いといわれています。

胚培養士による形態学的評価はどうしても主観が入るため、評価に多少のブレが生じる可能性があります。しかし、iDAScoreは膨大な量の胚データを学習させているため、一貫性をもち客観的に評価できる数値を算出することが可能です。

今回アップデートされたiDAScore Version2は、国内外18万個以上の胚のデータを学習させており、以前のVersion 1に比べ各段にデータ量が増え、性能も向上しました。そして、胚盤胞だけでなく、分割胚(2日目や3日目)に対してのスコアも評価できるようになっています。
※スコアの範囲※
分割期胚(2日目や3日目)→ 1.0-7.9
胚盤胞(5日目や6日目)→ 1.0-9.9

当院で胚の培養終了後にお渡ししている用紙には胚のグレードに加えて、iDAScore、移植順位の記載をしています。
形態学的評価が同等のものが複数個ある場合(4AAと4AAなど)、iDAScoreの数値により、評価順位(どちらの胚を優先して移植するか)を明確化することができます。

胚培養士による従来の形態学的評価も重要であり、iDAScoreと相関があるとされています。
この2つを組み合わせることで、より正確な評価を行うことができます。