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AIを使用した胚評価システムiDAScore Version2について

皆様こんにちは。
SOLEIL ARTラボの胚培養士です。
今回は、AIを使用した胚評価システムiDAScore(アイダスコア)についてご紹介します。

当院では、患者様の胚培養をタイムラプスインキュベーター(EmbryoScope)で行っており、AIを使用した胚評価システムであるiDAScoreも導入しております。
このiDAScoreが今年の1月よりVersion2にアップデートされました。

iDAScoreは、連続観察画像を読み込ませるとAIが完全自動解析し、個々の胚のスコアを算出します。このスコアが高いほど妊娠の可能性が高いといわれています。

胚培養士による形態学的評価はどうしても主観が入るため、評価に多少のブレが生じる可能性があります。しかし、iDAScoreは膨大な量の胚データを学習させているため、一貫性をもち客観的に評価できる数値を算出することが可能です。

今回アップデートされたiDAScore Version2は、国内外18万個以上の胚のデータを学習させており、以前のVersion 1に比べ各段にデータ量が増え、性能も向上しました。そして、胚盤胞だけでなく、分割胚(2日目や3日目)に対してのスコアも評価できるようになっています。
※スコアの範囲※
分割期胚(2日目や3日目)→ 1.0-7.9
胚盤胞(5日目や6日目)→ 1.0-9.9

当院で胚の培養終了後にお渡ししている用紙には胚のグレードに加えて、iDAScore、移植順位の記載をしています。
形態学的評価が同等のものが複数個ある場合(4AAと4AAなど)、iDAScoreの数値により、評価順位(どちらの胚を優先して移植するか)を明確化することができます。

胚培養士による従来の形態学的評価も重要であり、iDAScoreと相関があるとされています。
この2つを組み合わせることで、より正確な評価を行うことができます。